ネット証券の選び方:手数料と取扱商品の基本

新NISAの金融機関としてネット証券を検討するときに、取引手数料、取扱商品、最低投資金額、ポイント制度、入出金・口座開設の手続きで確認したい点を、金融庁と日本証券業協会の公開情報をもとに整理します。

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新NISAを利用するには、銀行や証券会社などにNISA口座を開設します。なかでもネット証券は、口座開設、入出金、商品選び、注文などをWebサイトやアプリで行うことを中心にした証券会社です。取扱商品や手数料の確認を自分で進めやすい一方、サービス内容や条件は会社・商品・取引方法によって異なります。

この記事では、特定の証券会社や金融商品を推奨せず、新NISAの金融機関としてネット証券を比較するときの基本的な確認点を整理します。

証券会社が新NISAの選択肢になる背景

新NISAの口座は、銀行や証券会社などの取扱金融機関で開設できます。ただし、金融機関によって取り扱う商品は異なります。日本証券業協会は、証券会社では上場株式、ETF、REIT、株式投資信託などを取り扱う一方、銀行・郵便局などでは株式投資信託を取り扱うと案内しています。

そのため、投資信託の積立だけを検討する場合でも、将来に上場株式やETFなどを選択肢に含めるかによって、確認したい取扱商品の範囲が変わります。ネット証券を含む証券会社を選ぶこと自体が有利という意味ではなく、投資したい商品、手続きの方法、必要なサポートに合うかを確かめることが出発点です。

先に新NISAで使いたい枠と商品を整理する

比較の前に、何のための資金か、いつ使う可能性がある資金か、毎月いくらまで積み立てるかを整理しましょう。新NISAには、長期・積立・分散投資に適した一定の投資信託を対象とするつみたて投資枠と、上場株式・投資信託などを対象とする成長投資枠があります。どちらの枠で何を購入したいかによって、確認すべき取扱商品や注文方法も変わります。

制度全体の枠や注意点は、新NISAとは?制度の基本を整理で確認できます。つみたて投資枠と成長投資枠の対象商品の違いは、新NISAのつみたて投資枠と成長投資枠の違いもあわせてご覧ください。

取引手数料は「何に、いつ、いくらかかるか」で見る

証券会社を比べる際は、表示されている一つの手数料だけでなく、利用する商品と取引の流れに沿って確認することが大切です。取引手数料が無料と表示されている場合でも、対象市場、注文方法、取引金額、口座区分、キャンペーンなどの条件が付くことがあります。また、売買手数料とは別に、商品にかかる費用や為替に関する費用が生じる場合もあります。

確認項目見るポイント
国内株式などの売買買付時・売却時の手数料、対象市場、注文方法、1回ごとか1日ごとかの料金体系、無料となる条件を確認する。
投資信託購入時手数料の有無だけでなく、保有中にかかる信託報酬などの商品ごとの費用、売却・解約時の条件を確認する。
海外商品・外貨売買手数料のほか、為替手数料、取引通貨、受渡しや出金に関する条件を確認する。
口座・サービス利用口座維持、電話注文、書面交付、特定の取引ツールなどに費用がかかるかを確認する。

新NISAは投資による利益を非課税にする制度であり、取引や商品にかかる費用まで一律に非課税・無料にする制度ではありません。申込みや注文の直前に、各社の手数料一覧、商品説明、約款を確認しましょう。

取扱商品は「本数」だけでなく目的との一致を確認する

投資信託の取扱本数は比較しやすい指標の一つですが、本数が多いことだけで自分に合うとは限りません。新NISAで購入できる商品か、つみたて投資枠・成長投資枠のどちらに対応するか、積立設定ができるかなどを、候補の商品ごとに確認する必要があります。

確認項目見るポイント
投資信託希望する投資信託の取扱い、NISAでの購入可否、つみたて投資枠の対象か、積立設定の単位や頻度を確認する。
株式・ETF・REIT国内外の取扱市場、成長投資枠での取扱い、単元未満株などの注文方法や条件を確認する。
債券・その他の商品必要な場合に限り、取扱いの有無、購入単位、価格変動や途中売却時の条件を確認する。
情報・注文機能商品検索、目論見書などの確認方法、注文できる時間帯、アプリとWebサイトで利用できる機能の違いを確認する。

同じ名称の商品でも、購入できる口座区分や積立設定の可否が異なる場合があります。候補の金融機関を決める前に、買いたい商品を数本に絞り、その商品をどの枠・どの方法で購入できるかを確認すると比較しやすくなります。

最低投資金額とポイント制度は条件を分けて確認する

少額から始めたい場合は、投資信託の積立金額、株式などの最低買付数量、単元未満株の取扱いなどを確認します。最低投資金額や設定できる金額の単位は、証券会社、商品、注文方法によって異なります。少額で始められることだけで判断せず、継続できる金額か、生活費や緊急時に備える資金を確保できているかも確認しましょう。

ポイントを付与したり、投資信託の購入などに利用できたりする制度を設けている証券会社もあります。利用する場合は、付与対象となる取引、付与率、利用できる商品、上限、有効期限、制度変更・終了時の扱いを確認します。ポイント制度は付随するサービスであり、投資の利益、元本、手数料水準を保証するものではありません。

口座開設・入出金の手続きと安全性を確認する

ネット証券では、口座開設から本人確認、NISA口座の申込み、入金、注文までをオンラインで進められる場合があります。一方で、必要書類、審査や税務署での確認に要する期間、NISA口座を使い始められる時期、問い合わせ方法は各社で異なります。すでにNISA口座を持つ場合は、新規申込みの前に後述する金融機関変更の手続きも確認してください。

入出金では、次の点を候補ごとに確認しましょう。

  • 利用できる入金方法、入金手数料、買付余力への反映時間
  • 出金先口座の登録方法、出金手数料、出金可能となる時期
  • 銀行口座との連携を設定した場合の資金移動の方法と条件
  • 二段階認証、生体認証、出金先口座の変更時の確認、利用停止時の連絡先
  • 電話・チャット・メールなどの問い合わせ方法と受付時間

証券口座へ資金を移すための決済口座を考えるときは、ネット銀行の選び方:証券連携と金利の基本も参考になります。連携の有無だけで決めず、日常生活用の資金と投資に使う資金を分けて管理できるかを確認することが大切です。

NISA口座は1人1金融機関のみ。変更手続きも確認する

金融庁は、NISA口座は1人につき1口座のみ開設でき、金融機関の変更は年単位で可能と案内しています。つみたて投資枠と成長投資枠を別々の金融機関に分けて利用することはできません。

金融機関を変更する場合は、変更前の金融機関へ「金融商品取引業者等変更届出書」を提出し、交付された「勘定廃止通知書」などを変更先の金融機関へ提出する手続きがあります。変更したい年の1月1日以降に、変更前のNISA口座で買付けを行っていると、その年分の金融機関変更はできません。受付期間や書類の交付・提出方法は、変更前・変更先の金融機関で確認してください。

すでにNISA口座を利用している場合に、変更手続きをせず別の金融機関へ申込みをすると、希望どおりにNISA口座を開設できない可能性があります。比較は申込み前に行い、変更が必要な場合は余裕を持って手続きを進めましょう。

比較表を自分の条件で作る

候補を2〜3社に絞ったら、公式サイトの手数料一覧、取扱商品一覧、NISAの案内、入出金の案内を同じ時点で確認し、次のように整理すると見落としを減らせます。

比較軸自分の確認内容
目的つみたて投資枠・成長投資枠のどちらを使うか、購入を検討する商品は何か。
費用自分が使う商品・市場・注文方法で、買付から売却までにどの費用がかかるか。
少額投資積立額、買付単位、設定できる頻度が家計の範囲に合うか。
使い勝手入出金の方法、反映時間、スマートフォンで必要な操作ができるか。
サポートと安全性問い合わせ方法、認証設定、不正利用時や障害時の案内を確認できるか。

条件は改定されることがあります。第三者の比較記事だけで決めず、口座開設・注文の前に各社の最新の公式情報と契約条件を確認しましょう。

まとめ

ネット証券は、新NISAの金融機関として、上場株式、ETF、REIT、投資信託などを選択肢に含めたい場合に検討できる選択肢の一つです。ただし、取引手数料、取扱商品、最低投資金額、ポイント制度、入出金やサポートの条件は、証券会社と商品によって異なります。

NISA口座は1人につき1金融機関で利用する制度のため、まずは投資したい商品と使いたい投資枠を整理し、金融機関の変更が必要かも確認したうえで比較することが大切です。

本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の証券会社、金融商品、口座サービスの利用を推奨するものではありません。投資には価格変動による損失の可能性があります。手数料・取扱商品・ポイント制度・各種手続きは変更される場合があるため、口座開設や投資に関する最終的な判断は、最新の公式情報と契約条件を確認したうえで、ご自身の状況に応じて行ってください。

参考

記事の確認に用いた公開情報です。